院長通信 第32回 〜脊椎分離症、脊椎分離すべり症〜

第32回【脊椎分離症、脊椎分離すべり症】
 脊椎分離症とは、椎骨の上関節突起と下関節突起との間が分離してしまうことをいいます。またこの分離した部分の椎体が、前方に滑ってしまった状態を脊椎分離すべり症といいます。
 もっとも好発する場所は、第5腰椎に多く見られます。これは、背骨は、S字のカーブをしていて、腰の部分では前にカーブしています。その中でも第5腰椎のあたりはカーブが強く、さらに前傾しているので体重の負荷などによって前方に押されるように力が加わってしまううえに、腰の前屈の動作の時にその力がさらに強くなってしまうために、1番下の第5腰椎にもっとも強く負担がかかってしまうのです。次に多いには、第4腰椎になります。
 背骨は首から腰まで全部で24個の椎骨が積み重なってできています。この椎骨が上下で連結する場所が前側に1ヶ所と後側に2ヶ所あります。
 前側では椎体が上下で椎間板により連結されていて、後側では上側の椎骨の下関節突起と下側の椎骨の上関節突起とで椎間関節で連結されていて、これが左右あり、2ヶ所で連結しています。
この椎間関節は、腰の下のほうの、第5腰椎に向かうにつれて前傾しているため負担が大きくなり、第5腰椎の椎体と上関節突起の部分は前の方に押されるように力が強く加わり、第5腰椎の下関節突起は仙骨と連結していて、その部分にとどまろうとする為、上関節突起と下関節突起との間の部分に引き離す力が加わり分離を起こしてしまうのです。第2腰椎や第3腰椎にも分離をみられることがありますが、すべり症がみられることは、あまりないようです。
 脊椎分離症、脊椎分離すべり症は以前は先天的なもの(産まれつき)だというものが主だと思われていましたが、成長期に運動をしすぎたりや外傷が原因ではないかといわれています。
 症状は、腰の痛みや分離している部分の棘突起やその周辺の押したときの痛みがあります。また、周辺の筋肉にも負担がかかりやすくなるため、筋肉の緊張や痛みが出ることも多くなります。脊椎分離すべり症の症状として特徴的なものは階段状変形というもので、これは腰椎の上関節突起と下関節突起との間で分離して前の方にすべって(移動)しまうために、背中から触れる棘突起も前に移動してしまうため、棘突起の部分がくぼんで段差ができてしまう状態のことをいいます。
 脊椎分離症、脊椎分離すべり症の方は、普段から腰の筋肉のストレッチをしっかり行い、特に運動前後では、念入りに行うと良いでしょう。また、運動などもしっかり行い、筋力をつけていくのも良い事だと思います。中腰での作業や屈んでの作業などは、休憩を入れながら行い、長時間の負担のかかることは避ける方がよいでしょう。
そして、症状が出たときには、早めに治療することが大切です。
あいはら鍼灸整骨院
  
相原 善行 

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